暗号資産(仮想通貨)運用大手のCoinShares(コインシェアーズ)は、2月6日に発表した最新レポート「Quantum Vulnerability in Bitcoin: A Manageable Risk(ビットコインの量子脆弱性:管理可能なリスク)」で、量子コンピューターの進展に伴うビットコイン(BTC)の暗号解読リスクは理論上の問題として存在するものの、実用的な脅威は依然として遠いと評価している。
現在の量子コンピューターは、ビットコインで用いられる鍵生成・署名方式を実際に破るほどの能力にはほど遠く、必要とされる論理キュービット数は現行の10万倍以上とされている。これが実用化されるまでには少なくとも10年以上の時間がかかる見込みだ。
また、潜在的に量子攻撃のリスクがあるのは、公開鍵が永久に記録される旧式のウォレット形式に保管されたビットコインは全供給の約8%にあたる約160万BTCだが、そのうち、「攻撃する価値のある」まとまった量はわずか約1万200BTC程度にすぎないという分析が示されている。これは市場に大きな混乱をもたらす規模とは言い難い。
一方で、現代的なウォレット形式は公開鍵を秘匿する構造のため、量子コンピューターによる短期的な侵害リスクは低いとされる。加えて、ビットコイン・ネットワークは将来的に量子耐性の暗号方式へアップグレードする余地があり、こうした対応策を講じる時間的猶予も十分にあると指摘する。
このように、量子コンピュータによる暗号資産への影響は専門家らの間でも過度に危険視する必要はなく、「予見可能な技術課題」として捉えるべきとの見方が強まっている。
|文・編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
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