不動産業界で需要が高く、所持していると転職にも有利な宅建の資格。独学や通学型の資格学校でも取得は目指せますが、仕事・学業・家事などで忙しくてもスキマ時間を活用して効率よく対策できる宅建通信講座・オンライン講座を利用するのがおすすめです。しかし、受講費用や合格率、スクールの評判はさまざまなうえに、「フォーサイト」「ユーキャン」など種類も多く、本当におすすめの講座はどれ?と迷ってしまいますよね。
マイベストが定義するベストな宅建通信講座は「スキマ時間を利用した学習でも初心者が宅建試験に一発合格でき、なおかつ受講料が安いサービス」。不動産教育業界トップクラスの宅建講師である田中嵩二さんに取材してわかった、合格のコツや試験の難易度、学習時間の目安なども解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
マイベストではベストな宅建通信講座を「スキマ時間を利用した学習でも初心者が宅建試験に一発合格でき、なおかつ受講料が安いサービス」と定義。そんなベストな宅建通信講座を探すために、人気の宅建通信講座9サービスを約75万円かけて実際に購入し、以下の5個のポイントから徹底検証しました。検証①:テキストのわかりやすさ検証②:テキストの網羅性検証③:費用の安さ検証④:挫折しにくさ検証⑤:学習の手軽さ
おすすめスコア:4.51(2025/12/18時点)
テキストの質が高いうえサポートが充実。一発合格を狙える
「LEC」は、東京リーガルマインドという資格取得支援の予備校が運営する通信講座。法律系の資格に強い老舗予備校のひとつとして有名で、テキストの質が高い点が特徴です。今回の検証ではテキストのわかりやすさ・網羅性の両方で高評価を獲得しました。初心者に親切なだけでなく、合格に必要な知識を漏れなくインプットできるテキストといえます。モニターからは「かみくだいた説明のおかげで知識がなくてもスッと頭に入る」「ひと目でわかるように工夫されており受講者想いだと感じた」などわかりやすいと好評。また、専門家からも「2023年度の改正点で出題範囲である制度がほぼ網羅されている。条文の明示があり専門性も高い」と好評でした。質問サポートは回数が無制限なうえ、スケジュール作成・学習進捗管理の機能があるため、資格試験の対策に不慣れでも学習を続けやすいでしょう。スマホでの学習機能も充実しており、移動時間を有効活用できるので、仕事で忙しく学習時間をなかなか確保できない人にぴったりです。初心者向けのスタンダードなコースの受講費用は約143,000円と、今回検証したサービスの平均より約56,000円ほど高い料金。費用が比較的高い点はネックですが、テキストの質が高く学習に取り組みやすい機能が充実しているため、「宅建の学習がはじめてだけど一発合格したい!」という人に自信を持っておすすめできる講座といえます。
おすすめスコア:4.45(2025/12/18時点)
テキストの網羅性が高く専門家から好評。費用の安さも魅力的
「クレアール」は、資格と公務員の受験指導を行うWeb通信スクールです。合格に必要な範囲に絞って効率よく学習できることをウリにしています。今回の検証ではテキストの網羅性で高評価を獲得しました。合格に必要な知識が網羅されており、安心感があるテキストで学びたい人におすすめです。専門家からは「2023年度の改正点を含め、出題範囲である制度はすべて網羅されている。トレンド性も優れており、最新の改正点や、国土交通省・法務省が公表した資料等も参考に作成されたことがうかがえる」と大好評でした。一方、テキストのわかりやすさはそこそこの評価となりました。難しい専門用語をかみくだいて説明してほしい人には不向きといえます。モニターからは「ただでさえ専門用語が多いのに、『持分』『縁故があった人』など普段使わない言葉で説明していることが多く、理解に時間がかかる」「説明文が硬いうえに図が少ないので理解しづらい」といった声があがりました。しかし、質問サポートの回数が無制限でわからないことを気軽に質問できるため、初心者でも挫折しにくいといえます。また、スマホでテキストの閲覧・映像授業の視聴などができるため、スキマ時間でサクッと学習できますよ。受講費用は約60,000円と、今回検証したサービスの平均より27,000円ほど安い料金です。テキストが初心者にはわかりづらい点はネックですが、費用をできる限り抑えて一発合格を目指す人にはおすすめできる講座といえます。
おすすめスコア:4.26(2025/12/18時点)
網羅性が高く大好評。初心者にはわかりづらいという声も
「日建学院」は、不動産関連資格を中心に取り扱う資格試験予備校。母体である建築資料研究社は、建築に関する情報を業界へ提供している出版社のひとつであり、そのノウハウをもとに作成されたハイクオリティなテキストが特徴です。今回の検証では、テキストの網羅性で高評価を獲得しました。合格に必要な知識を漏れなくインプットでき、安心感があるテキストを使いたい人におすすめです。専門家からは「出題範囲をしっかりとカバーしている。専門的な用語をきちんと使用しつつも、チャート・図表によりひと目で整理できる工夫がされており圧巻」と大好評でした。一方、テキストのわかりやすさはまずまずの評価に。初心者にもわかりやすいテキストを使いたい人には不向きといえます。モニターからは「条文がそのまま使われているような表現があり少しわかりにくい」「教科書的な堅苦しい言葉が続く点にはやや不満を感じた」といった声があがりました。しかし、質問サポート・スケジュール作成・学習進捗の管理があるため、資格対策に不慣れな人でも挫折しづらいでしょう。一方、映像授業をダウンロードできないため、学習時間がなかなか取れずスキマ時間を活用したい人には不向きといえます。受講費用は110,000円と、今回検証したサービスの平均より23,000円ほど高い料金。試験の出題範囲がすべて網羅されており、一発合格を狙えるテキストで学習したいなら選択肢に入る講座といえます。
おすすめスコア:4.16(2025/12/18時点)
活字が苦手でも楽しく学べるテキスト。網羅性の低さには注意
「ユーキャン」は、楽しく学べることをウリにした通信講座です。初心者でも頭に入りやすいようさまざまな工夫を行っている点が魅力といえます。今回の検証では、テキストのわかりやすさで高評価を獲得しました。法律の学習がはじめての人・堅苦しい解説が苦手な人におすすめです。モニターからは「文字サイズが大きく見やすいうえ、フルカラーでイラスト・図解が多く視覚的に理解しやすい」「説明の言葉が柔らかく、こちらに話しかけるような感じで親しみやすいので読んでいて疲れない」と好評でした。一方、テキストの網羅性は低めの評価に。最低限の知識を身につけたいなら問題ありませんが、資格を取得したあとすぐに業務で活かせるほどの深い知識を得たい人には不向きといえます。専門家からは「おそらく初学者を対象としたテキストであるとうかがえる。これだけでは合格できるだけの内容が網羅されていない」というコメントがありました。質問サポートは1日3回までと制限があるうえ、映像授業をスマホにダウンロードできません。気軽に質問したい初心者や、移動時間で学習したい人には不向きといえます。受講費用は約63,000円と、今回検証したサービスの平均より24,000円ほど安い料金です。わかりやすさに特化しており、初心者に親切なテキストで学習したい人は検討してもよいでしょう。
おすすめスコア:4.12(2025/12/18時点)
イラスト・カラーが多く親しみやすいテキスト。網羅性は低め
「フォーサイト」は、勉強する時間がない人でも効率よく合格を目指せることをウリにした通信講座です。今回の検証では、テキストのわかりやすさで高評価を獲得しました。イラスト・カラーが多く、視覚的にわかりやすいテキストが好みの人におすすめといえます。モニターからは「ワードのチョイスが初心者向け」「図解・イラストが多いので、かなりわかりやすく楽に学べる」と好評でした。一方、なかには「色がつきすぎていてどこが重要かわかりにくいところがあった」という声も。色が多いと目がチカチカして疲れやすい人には不向きといえます。テキストの網羅性は低めの評価となりました。わかりやすいように内容が絞られているため、合格に必要な知識を1冊で完結したい人には向いていません。専門家からは「2023年度の改正点が反映されていない点が一部ある。初学者向けのかみくだいた記述が多く専門性は高くない」というコメントがありました。スキマ時間で学習しやすいのはうれしいポイント。スマホでテキスト確認・映像授業の視聴・問題演習ができる点に加え、映像授業のダウンロード・倍速再生が可能です。一方、質問サポートには回数の制限があるため気軽に質問したい人には不向きといえます。費用は約60,000円と、今回検証したサービスの平均より27,000円ほど安い料金です。「とにかくわかりやすいテキストを使いたい!」という人は選択肢のひとつに入れてもよいでしょう。
おすすめスコア:4.11(2025/12/18時点)
費用の安さ・学習の手軽さが魅力的。テキストの質はそこそこ
「スタディング」はスマホやタブレットの学習に特化したオンライン資格講座です。教材をすべてWebに集約しているので、重いテキストを持ち運ぶことなく勉強できます。今回の検証では、費用の安さで高評価を獲得しました。受講費用は約20,000円と今回検証したサービスの平均より67,000円ほど安い料金。「できる限り安い講座で、まずは宅建の基礎を押さえたい」という人は検討してもよいでしょう。テキストのわかりやすさはそこそこの評価に。モニターからは「文章が硬くわかりにくい。図解が少ないため、難しい文章を頭の中で整理しながら読み進める必要がある」という声があがりました。わかりやすさに特化したテキストを使いたい人には不向きといえます。テキストの網羅性の検証では低めの評価となりました。知識を補完するテキストを買い足さず1冊で合格したい人には向いていないでしょう。専門家からは「2023年度の改正点を反映している点では網羅性が高いといえる。しかし、2023年度の出題範囲から外れる改正点まで記述されているため、受験者は混乱するのではないかと不安」というコメントがありました。一方、学習内容を投稿して励まし合いができる「勉強仲間機能」があるため、モチベーションを保ちやすい点は魅力です。ただし、質問サポートは有料のチケット制なので、気軽に質問したい人には不向きといえます。スキマ時間にスマホ1つで気軽に勉強したいなら検討の余地がある講座です。
おすすめスコア:3.89(2025/12/18時点)
網羅性の高さが好印象。説明文が硬くわかりにくいという声も
「TAC」は大手資格予備校が運営する通信講座です。国家試験の対策講座を数多く展開しており、合格のノウハウが詰まった指導とテキストをウリにしています。今回の検証では、テキストの網羅性で高評価を獲得。合格に必要な知識をすべて網羅したい人にはおすすめできます。専門家からは「2023年度の改正点を含め、出題範囲である制度はすべて網羅されている。頻出分野における解説の専門性が高い点も好印象」という声があがりました。一方、テキストのわかりやすさは低めの評価となりました。説明が硬いうえモノクロなので、法律の学習がはじめての人には不向きでしょう。モニターからは「覚えるべき情報が羅列されており、なおかつ条文の文章をそのまま引用しているため頭に入ってきにくい」「文章が硬いぶんテキストへの信頼感は高いが、はじめて宅建の試験に挑む人にはわかりにくい」というコメントがありました。質問サポートは回数無制限なうえ、同じ目標を持つ仲間と情報交換ができる学習コミュニティがあるため試験までモチベーションを保ちやすいでしょう。テキストの内容が濃く1冊で合格を狙いたい人は検討の余地がある講座といえます。
おすすめスコア:3.89(2025/12/18時点)
網羅性が高く専門家から大好評。初心者には難しいという声も
「資格の大原」は、資格取得と就職をサポートする大原学園が運営する通信講座。大手資格予備校のひとつで、合格実績の高さと作りこまれたテキストが特徴です。今回の検証では、テキストの網羅性で高評価を獲得しました。合格に必要な知識がすべて網羅されている安心感があるテキストを使いたい人におすすめです。専門家からは「2023年度の改正点を含め、出題範囲である制度はすべて網羅されている。国土交通省・法務省が事前に公表した資料に記載されている解釈例・具体例にも触れており、非常に専門性があり試験対策としては完璧なレベル」と大好評でした。一方、テキストのわかりやすさはそこそこの評価に。「法律の学習がはじめてだからとにかく親切なテキストがよい」という人には不向きといえます。モニターからは「専門用語を淡々と解説しておりわかりにくい」「イラストや色分けによる強調が少ないため、パッと見てどこが重要なのかわかりにくい」という声があがりました。スケジュール作成・学習進捗の管理などの学習サポートがないため、長期間にわたる学習に不慣れな人には向いていないでしょう。網羅性が高く専門家から好評で、安心感があるテキストを使いたいなら選択肢のひとつに入れてもよい講座といえます。
おすすめスコア:3.74(2025/12/18時点)
費用の安さ・サポートは十分だが、テキストの質はいまいち
「アガルートアカデミー」は、国家試験・検定試験などの講座を提供するオンライン予備校です。2015年に開校したため比較的新しい資格予備校といえます。テキストのわかりやすさの検証ではそこそこの評価を得ました。モニターからは「易しい言葉で説明されていてわかりやすい」という肯定的な声がある一方、「色分けが少ないため直観的には理解しづらい」という声がありました。カラー・図解があり、わかりやすさに特化した講座で学習したい人には不向きといえます。テキストの網羅性は低めの評価となりました。1冊で一発合格したい人には向いていないでしょう。専門家からは「おそらく追加のレジュメでの対応をしていると考えられるが、2023年度の改正点が反映されていない箇所がある。ページ数を抑えるために説明がかなり簡略化されている印象」といったコメントがありました。受講費用は約55,000円と、今回検証したサービスの平均より32,000円ほど安い料金です。できる限り費用を抑えて宅建の基礎を学習したいなら検討の余地がある講座といえます。
監修者:田中嵩二(謙次)(宅建講師)
ガイド:石村燎里(マイベスト サービス担当)
※ 監修者は「選び方」についてのみ監修をおこなっており、掲載している商品・サービスは監修者が選定したものではありません。マイベストが独自に検証を行ったうえで、ランキング化しています。


